長期信用銀行は「長期信用銀行法」に基づく民間金融機関である。九三年現在、この法律に基づく長期信用銀行としては、日本興業銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の三つが存在している。長期信用銀行は長期貸出(満利が一年超の貸し出し)を主たる業務とする金融機関であるが、最近では短期貸出も増えており、すでに述べたように、貸し出し面では普通銀行との差はなくなりつつある。長期信用銀行は長期資金の供給のための資金源として金融債を発行することができるが、預金の受入先については、融資先など特定の範囲に制限されており、資金調達面で普通銀行とは異なっている。また、店舗数も普通銀行に比べて少ないのが特徴である。金融債には償還期間が五年である利付金融債とそれが一年である割引金融債とがある。ないと、五年後の満期に利子を一括して受け取る利付金融債を「満期一括利子受取型利付金融債」といい、通称ワイドという名で販売されている。
収支表の長期資本収支の数値の前の△はマイナスの意味であり、日本からの長期資本の流出が流入を超えていること、すなわち日本の長期の対外債権の増加から対外債務の増加を差し引いた、ネットの対外債権(対外純債権)が増えていることを示している。一九九三年の長期資本収支は七八三億ドルの赤字である。長期資本収支の内訳は、それぞれの取引の性格により、直接投資、延払信用、借款、証券投資に分けられる。このうち直接投資とは、「経営支配を目的とする投資」と定義される。日本では親会社の持ち株比率が1〇%以上の子会社、支店に対する出資金や貸付金は直接投資として計上されている。八〇年代半ばから九〇年代初めの円高を反映して、日本の直接投資は増加傾向にある。延払信用とは、船舶やプラントなどの輸出において、輸出業者が輸入業者に対して代金の支払いを一年を超えて猶予する場合をいう。
79年に創設されたEMSの目的は、?低いインフレ率と為替相場の安定を伴ったEC内外の為替相場安定地域の達成?各国の経済政策の調整?世界の為替市場安定の柱を築くことの3つに要約できます。具体的には、固定相場制に近いかたちで2国間の為替変動幅を事前に決めた中心レートから上下2.25%(一部の国は6%)の範囲に収まるようにし、この幅を超えそうになったら当事国の中央銀行が外国為替市場に介入し、変動許容範囲に収まるようにします。さらに、EC加盟12力国の通貨を加重平均してつくった欧州通貨単位(ECU)という統一的な通貨単位を使って、ECUに対する各国通貨の変動幅をやはり一定の範囲に閉じ込めておくという二本立てで、為替相場の安定を図るシステムです。EMSの中でも中央銀行に為替相場への介入を強制する為替レート機能に参加しているのは、EC12力国のうち英国、ポルトガル、ギリシャを除く9力国です。各国間のインフレ格差が拡大したりして実際の為替レートを変動幅の中に収めておくことが難しくなった場合は、参加国すべての合意の下に再調整が行われます。